乳ガン医療にがん医療の迷走ぶりを見る
ガン医療の迷走ぶりを乳ガン医療に見る
医療が治せない末期ガンが治ったのはまぎれもない現実の出来事である。これを人ごとのように考えているなら間違いなく医療の餌じきになる。そうしたことをふまえていまの乳ガンから最近の医療状況を眺めてみよう。 ハルステッドの「根治乳房切除手術」は細胞分裂説が根拠になって開発された。これは文字どおり疑われる対症を根こそぎとつてしまう郭性手術であるが、いたずらに組織を破壊するだけで名前のような根治にはつながらない。そこでいろいろと模索することになる。 現在も女性に一番多いのが乳ガンである。30〜64歳の年齢では死亡率の第一を占めるもっとも恐ろしいガンといはれている。当然暴れないうちに早く処理し、疑いあれば根こそぎ取り除く、さらに転移を常に視野に入れて対応と言うことになる。 現在は腫瘍経が3cm以下の乳ガンが全体の50〜60%を占めている。これを乳房温存手術で処理するが、温存率の向上と予後の改善を目的として術前の化学療法が多くの病院で行なわれている。うち20〜30%の症例で病理学的にガンが完全に消失し、予後良好としている。だがこの病理学的な消失がくせもので、原因を排除していないから当然再発のおそれを抱えたままということになる。 現代医療の最大の欠点がこの原因を突き止めることに無関心なことである。抗ガン薬量を抑えているからかろうじて死は免れているが、二度三度と回数を重ねればそれだけ寿命を削り取ることになる。化学療法の害をあまりにも軽く見ている。こうしてガンは際限なく分裂するという根も葉もない戯言を利用してほくそ笑んでいるのが医者であり、利用されて命を削り取られているのが患者である。これが現在のまぎれもないガン医療の姿である。 遺伝子解析によって新しい治療薬の登場を期待するとしているが、自然はそれほど甘くない。5〜6年前にセンチネルリンパ節生検が導入され、転移がないとリンパ節郭清が省略できるという。センチネルリンパ節生検実施例の約8割が郭清を省略でき、治療困難な上肢のリンパ浮腫を防ぐ利点があることを強調している。ということは郭清による上肢のリンパ浮腫で苦しむ人が如何に多かったと言うことが浮かんでくる。 ここ10年で術後の補助科学療法が標準化されて再発例が半減し、死亡率も04年で3割減少したと言うが視点がまるでずれている。トラスツマブが再発乳がんの治療薬として本年2月補助療法として保険適用となり、これで多くの乳ガン患者が救われることを期待するとしているが、乳ガンが分裂、増殖の対象になっている限り実現は不可能である。がんは自分が作るものである。この認識を欠いたまま切除と化学療法に頼る限り正しい解決は望めない。従って犠牲者を減らすことは不可能である。死亡率を少なくすることなど到底望める訳がない。
by kondousiko
| 2008-10-08 13:15
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